女性ホルモンは体の中でさまざまな機能のバランスを保つ役割をしています。
自律神経をコントロールする視床下部は、女性ホルモンを分泌する司令塔です。
このために女性ホルモンのバランスが崩れる更年期の時期になると、自律神経の影響を受け、不眠、不安、怒りやすい、疲れやすい、頭痛などさまざまな不調があらわれます。
更年期になり女性ホルモンの低下により不調があらわれて戸惑いを感じても、しっかりケアさえしておけば大丈夫です。
自律神経と女性ホルモンの働き
脳の下垂体で女性ホルモンの分泌はコントロールされています。
脳の視床下部から脳下垂体へ女性ホルモン分泌の指令が出ます。
すると、卵巣にも指令が届き女性ホルモンを分泌させます。
しかし、女性ホルモンの分泌が低下すると、視床下部は命令をだしているのに十分な女性ホルモンのエストロゲンを分泌できなくなります。
その結果、ホルモンのコントロール機能が乱れて視床下部がパニック状態になります。
視床下部は自律神経をコントロールしているので、自律神経の交感神経と副交感神経のバランスが崩れて「更年期障害」といわれる様ざまな症状があらわれます。
自律神経と女性ホルモンの低下
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2種類からできています。
交感神経はホルモンの分泌を促進し、副交感神経はホルモン分泌を安定させる働きがあります。
交感神経は活動的になったり興奮したりするときに活発になり、反対に副交感神経は休んでいる時やリラックスしている時に活動的になります。
女性ホルモン低下とストレス
女性ホルモンが低下する更年期には女性ホルモンの分泌の指令を出している視床下部にも影響を受け、するとさらにエストロゲンの分泌を促すために、ホルモンのコントロール機能が乱れ視床下部はパニックになります。
自律神経が乱れると交感神経が優位になり、なかなかリラックスできなくなり不安やイライラ、不眠、頭痛、めまいなどの不調がでてきます。
更年期障害
女性ホルモンの低下による視床下部のパニックでさまざまな不調があらわれる事「を更年期障害」といいます。
女性ホルモンが低下する更年期の時期は夫の関係、子育ての問題、両親の介護、仕事などにストレスに包囲された状態です。
また疲れやすい、不眠など体調面でも変化のあらわれる時期でもあるので、
女性ホルモン低下の時期にストレスが加わると、自律神経の乱れは悪化して更年期の症状も強くなる傾向になります。
更年期診断チェック
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女性ホルモンバランスチェック
目次1 女性ホルモンバランスチェック表1.1 合計点数による自己チェック1.2 更年期症状を軽くする日常生活 女性ホルモンバランスチェック表 女性の心も体も大き ...
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女性ホルモンを上げる食事
意識して摂りたい食材
- 大豆製品
- ゴマ
- ヨーグルト
- 卵
- 肉類
- 生姜
大豆製品
大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをします。大豆イソフラボン、大豆たんぱくなどが更年期の不調や予防を改善する効果があります。
更年期症状の改善や、肌のシワ改善しハリをアップ、骨密度の減少を抑制する効果、コレステロール値の改善など女性の悩みを改善します。
緑黄色野菜と合わせて摂ると、大豆に足りない抗酸化ビタミンA.C,Eを補給し、血管を若々しくし、美肌をつくります。
ゴマ
大豆イソフラボンと同様に、女性ホルモン力を高めるリグナンを含みます。
更年期の不快な症状や自律神経機能を改善する
血管を強くして動脈硬化を防ぐ
お肌を紫外線から守り美肌をつくる
悪玉コレステロール値を低下
ヨーグルト
幸福感、安心感、リラックスをもたらしてくれる幸せホルモンの「セロトン」は腸内に90%存在しています。後、8%は血液中、2%が脳内に存在します。
腸内環境が悪化すると小腸から栄養素の吸収力が低下します。
低下すると、セロトニンも低下してイライラや不安の原因になります。
その結果、自律神経も不安定になり更年期症状も悪化します。
卵
女性ホルモンの材料になります。ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて含む完全食です。
女性ホルモンの材料になるコレステロールを多く含みます。女性ホルモンが低下するとコレステロール値が高くなります。
摂りすぎはよくないですが1日1個は心がけて摂りたい食材です。
肉類
鉄の働き
幸せホルモンの「セロトニン」、やる気を起こす「ノルアドレナリン」、快楽や多幸感をえる「ドーパミン」などの神経伝達物質が脳内に分泌される時に必要な酵素を助ける働きをしています。
そのために鉄が不足するとセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどが不足し、うつ症状やパニック障害などを引き起こしやすくなるといわれます。
女性に多い貧血を予防する鉄分は緑黄色野菜の非ヘム鉄と動物性のヘム鉄があります。
鉄分の吸収は、緑黄色野菜(ホーレンソウなど)に比べて5~10倍です。
鉄分不足を効率よくとるには鶏レバー、1日20gで1日の喪失量を補うことができます。
生姜
自律神経が低下すると血流も低下します。血流が低下すると子宮周りを冷やして、細胞に必要な栄養素や酸素が十分に運ばれません。
生姜は体を暖める代表的な食材で生薬にも使われます。体を暖めて冷えを改善し、代謝も上がるので美肌力もアップします。
また代謝が上がり余分な水分を排出してくれるので、むくみ解消にも効果的です。
過激な食事制限ダイエットをしたら、生理が狂った、しばらく来なかったなどとダメージを受けてしまいます。
体の中のストレスサインは生殖系期間のダメージでもあらわれます。
女性ホルモンが正常に働くために体をあたため、女性ホルモンの材料になる食材をまんべんなく摂りましょう。
女性ホルモンをアップさせるには腸内環境を整える
ホルモン力をアップさせるには腸内環境を整える事が大切です。
栄養素は小腸で吸収されて免疫力の70%は小腸にあります。
お腹の調子を整えることで腸内環境をアップして大豆やゴマの栄養素やバランスの良い食事を心がけましょう。
栄養素を吸収し、セロトニンを活性化してくれる腸内環境を保つことは自律神経の安定につながります。
女性ホルモンアップ 適度な運動
ウォーキングにより血流がアップして自律神経のバランスを整えます。
ウォーキングは自律神経の活動の「交感神経」を刺激します。そして休息の「副交感神経」も活発にし、自律神経の不調を改善し、ホルモン分泌などを正常化してくれます。
ウォーキングメリット
自律神経を安定させることによりストレスを改善
更年期症状を改善
睡眠障害を改善
動脈硬化の予防
乳がんリスク低下
骨粗鬆症予防
心筋梗塞や脳卒中を予防
まとめ
自律神経と女性ホルモンは密接な関係です。
45歳前からの女性ホルモン低下に備え、女性ホルモンアップのための食生活、適度な運動(ウォーキングがおすすめ)、質の良い睡眠などは自律神経を整えて、更年期症状の予防や改善のためにも基本になります。
大豆製品は3食中2食(例えば朝は納豆、夜は冷奴)を心がけて、腸内環境を整えるなどあなたに合うやり方を楽しみながら続けていきたいですね。