最近、お通じが悪い、あるいはコロコロとうさぎのふんのようなものがでる、下痢と便秘を繰りかえす、などという事はありませんか?
腸の環境は自律神経と密接に関係しあってお互いに影響を与えています。
男性に比べて女性に便秘は多くなる傾向にあります。ストレスで自律神経のバランスが崩れると、腸内環境が悪化してコロコロ便や下痢、腹痛などおこします。
ストレスによりおこる、コロコロ便や下痢を改善する方法と腸内環境の整え方をご紹介します。
目次
ストレスで崩れる腸内環境
ストレスで腸内環境が乱れると、ストレス型の便秘(痙攣性便秘)や過敏性腸症候群になることがあります。
ストレス性の痙攣性便秘は、大腸の蠕動運動が何らかの理由で過剰に働き、大腸が痙攣状態となり痙攣性便秘となります。
過敏性腸症候群は、ストレスにより腸がギューと絞り出すように痙攣することにより下痢や便秘になります。
ストレスで女性に多い「便秘になる5つの原因」
- ホルモンの作用(女性ホルモンひとつの黄体ホルモンが体に水分や塩分をため込むように指示をするので、大腸の腸壁から便の水分が吸収されて便が硬くなります)
- 無理なダイエット(食事量が減ると食物繊維や水分摂取量、脂肪分が減るので腸の蠕動運動などに影響して便が硬くなり、排出されにくくなります)
- 精神的なストレス
- トイレの我慢
- 男性に比べて腹筋が弱いので台帳が便を送り出す力が弱い
自律神経には活動する昼間に働いている「交感神経」とリラックスする夜に働く「副交感神経」があり、通常は2つでバランスを取りあって健康を保っています。
胃腸の働きも自律神経がコントロールしています。
胃腸の働きでは、交感神経が活発に働くと拡張して蠕動運動は停滞します。
一方、副交感神経が活発になると収縮して、蠕動運動を起こし腸内の不要なものが押し出されて腸内環境にも好影響を与えます。
つまりストレスが溜まって交感神経優位になると腸内環境が低下し便秘になります。
便秘の主な5つの症状
- 便が硬かったりコロコロした便が出る
- 便が出きった感じがしない
- 何日も排便がない
- 下剤を服用しないと出ない
- 便が溜まっている感じがする
ストレス性の便秘(痙攣性便秘)の原因
ストレス状態が続くと大腸が収縮をおこします。すると便意を感じているのに便の量も少なく、便の状態もコロコロとウサギの糞のような硬い便になります。
ストレスにより自律神経の、活動神経の「交感神経」とリラックス神経の「副交感神経」のバランスが崩れます。
副交感神経には胃や腸を働かせる役割があるので、自律神経のバランスが崩れると、副交感神経だけ優先されてしまいます。
その結果、大腸が痙攣をおこしてしまうので痙攣性便秘を発症することになります。
痙攣性便秘の特徴
- 兎の糞のようなコロコロ便で量が少量、残便感もある
コロコロした丸くてかたい便が特徴です。ストレスで大腸が過敏に反応して便が通りにくくなり便秘となります。
便が腸内に長くとどまり、水分が吸収されてコロコロとした硬い便になってしまいます。
- 下痢と便秘を交互に繰り返す
- 下腹部が痛くなるのに便が出ない
- お腹が張る
- お腹がゴロゴロなる
痙攣性便秘の改善方法
- ストレスの原因を解消する
- 質の良い睡眠をしっかり取り、心と体の疲労を回復する
- リラックスできる時間を作り楽しむ
- 汗ばむ程度に身体を動かす(おすすめはウォーキング)
痙攣性便秘はストレスが原因なのでストレス解消が改善するためには必要です。
自分に合ったストレス解消法で、大きなストレスとならないうちにマメに改善する方法をみつけましょう。
ストレスから過敏性腸症候群の原因
腸のストレスになる原因
ストレスを受けると、自律神経の交感神経の方が優位になります。すると胃腸の働きは低下して便秘や下痢になりやすくなります。
腸の蠕動運動を支配しているのは副交感神経ですので、ストレスがたまると腸の働きは鈍くなります。
すると腸内の悪玉菌が増えて、便秘を引き起こしてしまいます。反対に、ストレスがたまった時に胃が痛くなることがありますね、これも自律神経が乱れて胃に影響を与えています。
ストレスが溜まる状態が続くと過敏性腸症候群に
ストレスが続いて酷くなると下痢や便秘を繰り返すなどの症状がでる「過敏性腸症候群」になる可能性があります。
過敏性腸症候群主な症状は、下痢や便秘です。
その中でも女性における症状では「便秘型」になる事が多いといわれます。
まだ発症に関しての原因などははっきりとは分かっていないようですが、最近の研究から、何らかのストレスによりストレスホルモンが脳下垂体から放出されるので、腸が刺激されて働きがおかしくなるといわれています。
過敏性腸症候群の主な7つの症状
- 慢性的に腹痛や腹部の不快感のある便秘
- 下痢と便秘が長く続いている
- 下痢と便秘を交互繰り返している
- 排便すると腹痛や腹部の不快感が軽減する
- 頻繁に腹痛に襲われる
- 便がウサギの糞の様な固いコロコロとしている
- 緊張したり、不安を感じるとお腹が痛くなることが多い
過敏症腸症候群になりやすい人のタイプ
主な原因はストレスだといわれています。
心や体にストレスを受ける事で自律神経のバランスが乱れ、胃腸の症状を引き起こします。
- ストレスを我慢している
- 完璧主義な方
- 睡眠不足が続いている
- 食事や生活が不規則
- 過労で体が疲れている
注意ポイント
ストレスを意識しないで気付かないうちにストレスをためこんでいる人などは、自分の意識していないところで身体がSOSを発していると言えるかもしれませんね。
ストレスから 便秘を予防する日常生活習慣
ストレスを感じたら「マメに解消する方法」
自律神経が崩れて便秘になる原因は大半がストレスが原因だといわれます。
そのためにはストレスをマメに解消するのが日常生活での予防法です。
自分にあったやり方で、ストレスを感じたらマメにリラックスする時間を心がけましょう。
例えば、
- ゆっくりお風呂に入る
- 好きな映画を見る
- お気に入りの本を読む
- 外を散歩する
- 友人とおしゃべりする
毎日の生活の中で、一息入れてリラックスする時間を持つようにして、ストレスを軽くする生活を心がけましょう。
ストレスを感じるとき「食生活リズムを崩さない」
毎日、きちんと3食摂ることで、体のリズムは整います。
生活が不規則になり睡眠不足や暴飲暴食が続くと自律神経のバランスを崩します。
毎日の生活のリズムを崩さないように、朝起きて光を浴びると幸せホルモンのセロトニンの分泌も活性化して自律神経も整います。
休日でもできるだけ規則正しい時間に起きると体のリズムを崩さないで過ごせます。
ストレスから「便秘予防の食生活」
- 暴飲暴食をしない
- アルコールを控える
- 胃腸に優しい食事を意識する
- 資質の多い洋食より和食を選ぶ
- 水溶性の食物繊維を摂る
- 水分をしっかり摂る
- 油分の摂取を減らしすぎない
- 食べすぎに注意する
水溶性食物繊維
便を軟らかくして腸内の通過をよくする効果があります。
納豆、大麦、モロヘイヤ、めかぶ、もずく、果物、こんにゃく、らっきょう漬け、かんぴょう、ココア、切り干し大根、抹茶など
不溶性食物繊維
ストレス性の便秘(痙攣性便秘)の時には不溶性食物繊維は刺激が強すぎるので、食物繊維の摂取は水溶性が適しています。
根菜類のゴボウやレンコン、サツマイモや豆類などの不溶性食物繊維は便のカサを増したり、腸を刺激して便意を促す働きがあります。
食物繊維は水溶性と不溶性をどちらも適量摂るようにしましょう。
油分の摂取
油分を減らしすぎた食生活は便秘の原因にもなります。
油は腸を刺激して便の流れをよくする作用があるので、オリーブオイルなど良質なオイルを取り入れるようにしましょう。
ストレスを感じたら「軽い運動効果」
夕方に軽い運動のウォーキングなどをすると、神経伝達物質のセロトニンの分泌を活性化して、不眠症改善にもつながります。
また副交感神経を刺激するのでストレス発散に効果的です。
ウォーキングは下半身を動かす有酸素運動ですので、腸の働きがよくなり腸にも良い効果を与えます。
特に冬場は運動不足になりやすくなります。またのどの渇きを感じないので水分も不足しがちです。
ストレスを感じた時「水分摂取を意識する」
水分不足は便秘の大敵です。水分不足になると便も硬く、かさも減るので腸内をスムーズに移動できにくくなります。
便秘を防ぐためにも。1日1~5リットルを目安に摂取するようにしましょう。
朝コップ1杯の水を飲む
朝起きたら、まずコップ1杯の水を飲みましょう。
起きがけに水を飲むと、水で胃と結腸に刺激を与えます。
冬場は冷たい水を飲みにくいので、常温の水がおすすめです。
コップ1杯の水の後、朝食を摂る
その後に朝食を摂ります。
朝食は腸の蠕動運動を促して便意を起こします。自律神経にも良い効果を与えます。
忙しいならバナナ1本でも、腸を動かすために何かしらを口にするように心がけてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ストレスがかかるとことでお腹の調子が悪い、便秘や下痢の症状を繰り返すなど不快な症状が出る原因はストレスにあります。
腸はストレスの影響を受けやすく、自律神経のバランスを崩し、腸内環境を低下させて、症状を悪化させます。
ストレスで便秘になった時は、「出さなければ」と意識しすぎる事でもストレスが増えて、便秘状態を悪化させてしまう原因にもなります。
ストレスで便秘になりやすい人のタイプは完璧主義の人が多いといわれます。
まずは自分がこれならできるかな?と思うリラックス法を見つけて、ホッと一息つく時間を大切にしたいですね。
ストレスで自律神経のバランスを崩し、体調に影響を与えないためにも、「まあ、なんとかなるさ」「今日は51点、50点以下でないから良くやった」などと考えて、もう少しご自分に甘く、あまりご自分を追い込まないようにしたいですね。